火災保険をご請求されるお客さまへ

大切なお知らせですので、必ずご一読ください。

 

以下の報道記事や消費者庁の「災害に便乗した悪質商法に注意!」チラシのように、保険金請求の申請代行や建物の損害を調査するコンサルタントを名乗る業者(以下、業者といいます。)が火災保険にご加入いただいているお客さまに関与する事例が報告されています。特徴としては、「自己負担ゼロを強調」「強引な契約」「うその理由で請求」などがあり、保険業界全体で対応を強化しておりますので、ご注意ください。
業者の関与を分からないようにするために知人や友人から保険金請求ができると聞いたと言って保険会社に申請するように、もしくは、損傷は経年劣化によるものであるが保険会社には災害が原因という理由で申請するようになど、お客さまに虚偽の申告を勧めていた悪質なケースもあります。
また、業者がお客さまに、保険会社や一般社団法人日本損害保険協会の関係者であると名乗るケースも報告されていますが、当社および当社グループ、一般社団法人日本損害保険協会、損害保険業界とは一切関係ありませんので、ご注意ください。

 

【ご参考】報道情報
■共同通信社 2020年8月5日
『災害便乗の悪質商法、5社を指導 消費者庁、住宅修繕業者など』
消費者庁は5日、地震や台風の被災地で、本来必要のない住宅修繕を持ち掛けたのは特定商取引法違反に当たるとして、5事業者を行政指導したと発表した。同庁の千島晴雄統括消費者取引対策官が記者会見し「豪雨災害が発生しやすい季節。災害に便乗した悪質商法には注意してほしい」と述べた。会社名などの詳細は明らかにしていない。
5社は、保険金の申請代行や住宅修繕を担う業者。実際には被害がないのに「地震で屋根瓦にひずみが出ている」などと言って修理するよう勧誘したり、保険金で修理費を全額カバーできると虚偽の内容を伝えたりしていた。
■産経ニュース 2017年7月31日
『天災で家屋修理トラブル増 対象外なのに「保険で直せる」と勧誘 解約料が高額な事例も!
大雨などで壊れた屋根や雨どいなどを「保険金を使って修理できる」と勧誘する訪問販売のトラブルが増えている。業者は「自己負担はゼロ」「保険申請は代行する」などと誘って契約させるが、その後、工事代金の全額を請求してくることも。記録的な大雨が全国で相次ぐ中、修理を依頼する前に、加入している保険の内容をきちんと確認したい。(牛田久美)

 

独立行政法人国民生活センターより(ホームページより抜粋) 2020年10月1日付
「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!
勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください。

 

1. 相談事例
【事例1】契約時に高額な違約金に関する説明がなかった
令和元年秋台風の影響で雨漏りをしていたところに、事業者から「火災保険の保険金で修織ができる」と電話があり、訪問を受けた。事業者が屋根の損傷個所を撮影し、約400万円の工事見積もりを出した。保険申請は事業者がすべて行ったが、「自分たちの存在は保険会社には伝えないでほしい」と言われ、少し不審に思った。その後、保険会社の鑑定人が家を診て、見積金額全額は出ないと言われた。契約時に違約金の説明はなかったが、書類をみたら工事をしない場合は違約金として保険金の5割を支払うと書いてあり、悪徳商法にひっかかったと思った。契約をやめたい。
(2020年6月受付 40歳代、男性)

 

【事例2】工務店に壊れていない瓦を外す細工をされ「黙っているように」と指示された
令和元年秋台風の後にハウスメーカーの下請けの工務店が訪ねてきて「瓦が飛んでいる。保険金の範囲で修理ができる。申請の手伝いもする」と言われ、了承した。保険をおりやすくするためか、工務店が壊れていない瓦を外して「黙っているように」と言い、保険鑑定人の立会い時には「家から出るな」と指示された。さらに立会い代18万円も請求された。見積もりや保険会社との手続きはすべて工務店が行った。保険金約150万円と見舞金30万円が出たが、すべて工務店に支払わされた。屋根工事は行われたが、なかには地面に落ちて壊れた風よけをただ付け直しただけで費用を請求されたものもある。他にもとずさんな工事や不当な請求項目があるので、一部返金してほしい。
(2020年4月受付 70歳代、女性)

 

【事例3】事業者の見積りがずさんで少額の保険金しか提示されなかった
事業者から電話があり、「昨年の大型台風や数年前の大雪被害で破損している箇所は火災保険で修理できる。当社にて保険申請のサポートが出来る」と勧誘され、無料修理出来るならと思い、来訪を受けた。家をくまなく診断され、屋根、雨どい、外壁、など合計約260万円の見積書が完成した。事業者の指示に従い保険金の申請をしたら、保険会社から調査が入った。保険会社の提示額は14万円と、あまりにも見積もりとかけ離れており、保険会社に「見積額には経年劣化の部分が多く、見積もりは信用性にかける」と言われた。この事業者を信用できなくなり工事を断ると、診断費用を請求すると強く言われた。支払義務はあるのか。
(2020年7月受付 60歳代、女性)

 

【事例4 】保険で修理可能と言われたのに保険金が下りなかった
家を建築した事業者から無料点検のお知らせが届き、点検を依頼した。後日の結果報告で修理の見積書を見せられ、「屋根、雨どいなどに台風被害があるので、火災保険で修理できる」と勧誘された。保険金が確実に下りることが分かってから決めたいと言ったが、「キャンペーンの有効期間がある」と3時間にわたり居座られ、判断力も低下して約300万円の契約をしてしまった。しかし、保険会社から連絡があり、老朽化による修理に該当するので保険金は下りないと言われた。事業者から保険金が下りると聞いて契約したので、減額して欲しい。台風シーズンまでに修理が必要なので、白紙には戻したくない。
(2020年7月受付 50歳代、女性)

 

2. 相談事例からみる問題点
(1)「保険金が使える」と訪問販売で契約しており、長時間勧誘も行われている
「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」といった事業者の突然の訪問や電話、チラシをきっかけに、事業者は消費者の家を訪れています。訪れた事業者は点検や診断、見積もり等をしたうえで、「保険金範囲で修理ができる。申請の手伝いもする」等と言って住宅修理工事や、保険金請求サポート契約を勧誘するケース【事例2】がみられます。
また、契約するまで長時間勧誘するケース【事例4】(中略)もみられます。

 

(2)高額な手数料が発生することの説明が不十分
保険金請求サポートと工事が一体となった契約では、その事業者に工事を依頼しない場合は支払われた保険金の3割~5割の手数料等(コンサルティング料、申請サポート料、違約金等の名称の場合もある)を事業者に支払うと定められている場合があり、多額の保険金が支払われるほど事業者に支払う手数料も高額になります。また、保険金サポートだけの契約でも、支払われた保険金から3割~5割の手数料を支払うよう求められます。
こうした手数料等の支払いに関する十分な説明が契約時にはされず、契約した後に気付いてドラブルになるケース【事例1】がみられます。
また、工事代金を支払ったにもかかわらず、説明のなかった保険金請求サポートの報酬を追加請求されたケースもみられます。

 

(3)保険会社をだますような手口の保険金請求が行われている。
火災保険は損害保険の一種で、火災による損害を補償する基本タイプに留まらず、風水災などの自然災害や盗難などの事故(以下「自然災害などの事故」)によって「建物」や「家財」に生じた損害も補償する総合填補型の保険が一般的です。経年劣化による住宅の損傷は、自然災害などの事故による損害ではないので、保険金支払いの対象とはなりません。
しかし、「自然災害で感れたことにすればいい」とうその理由で請求をさせたり、事業者が「自分たちの存在は保険会社に伝えないでほしい」と言うケース【事例1】、事業者が壊れていない瓦を外すなどの細工をし、「黙っているように」と指示するケース【事例2】がみられます。
うその理由による保険金請求は保険金詐欺に該当するおそれがあり、消費者は保険会社から保険金の返還請求や保険契約の解除をされる可能性があるほか、刑事罰(詐欺罪)に問われる可能性もあります。

 

以上